連続小説

story

焦燥感

ご主人様の太ももが私のお尻にぴったりとくっつく。
ゆっくりと挿入された肉棒はすっかり根元まで私の中に入ってしまったようだ。
前の穴よりも狭いせいかご主人様のモノの温かさや脈打ちはしっかりと感じるのに、奥に当たらない。
それなのになぜか圧迫感があり、入れられているだけでも苦しかった。


「おお、結構いけるもんだな」


ご主人様は私の腰をがっちりと固定しながら、確かめる様にゆっくりとモノを動かし始めた。
奥の方がより狭くなっているようで、左右にはあまり動かないみたいだ。


「きついけど、いやでもこれ、すごいな。
吸い付いてくるみたいだ!」


きゅぷきゅぷと音を立てながらそれを咥え込む穴に興奮したのか、ご主人様のモノが硬度を増す。
止められないといった様子で彼は息を荒くしながら腰を強く私に打ち付け始めた。


(あっ、ちょっと待ってっ)


息を整える間もなく動かされ、私は身悶える。
潤滑剤のおかげで滑りはいいはずなのに、こじ開けられた穴の中は擦れた部分がじんじんと痛みに似た違和感を訴えていた。


(やだ、だめ・・・!
こ、こんなの無理っ!)


私は声を上げた。
今ほど伝えられないのを恨むこともないだろう。
与えられる違和感は不快感が大きく、とても受け入れられるものではなかった。
私によっぽど忍耐がないのだろうか。
それとも相性の問題か。
容赦なくご主人様は突き上げ、引く。
ご主人様が動くたびに私の口からは嬌声ではなく呻き声が漏れる。
突き上げられるたび、お腹を圧迫感が襲い、押し出された空気が声と共に排出されるのだ。


(そういう事をするためにあるってご主人様、さっき言っていたのに。
全然気持ちよくないよぉ!)


甘い感覚が一向に訪れない焦燥感。
さっきご主人様が言ったように、ラブドールである私にとってこの穴はこのためにある場所なのに、違和感を覚えることに焦りを感じていた。
気持ちよくならないということは、私はもしかしてラブドールとして欠陥品なのかもしれない。
そう思うとだんだんと悲しくなってくる。


(ご主人様と一緒に気持ちよくなりたいのに・・・!)


普通にえっちをする時は、まるでご主人様と一つになったような気持だった。
とても気持ち良くて、身体の芯がとろけてしまいそうな甘く心地よい時間だったのだ。
でも今は違う。
穴一つ違うだけで、こんなにも違うのだ。
あの感覚が得られないのはきっと私が受け入れられないせいだ。
ご主人様のしてくれることなのだから、私は受け入れてすべてを委ねなければいけないのに。
そう思うのに身体は正反対の反応を示していた。
それと同時に、前の穴が疼いてそれがまた切なさをさらに強くする。
気付けば私は行為が早く終わることを願っていた。

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