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連続小説

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ずっと見ていたい

「うんうん、やっぱりゆうみもそう思うよな!」


私の答えを聞いたご主人様は私を少し寄せるとゆっくりと立ち上がる。
お湯の動きに合わせて私の身体が揺れた。


「用意してくるから、ちょっと待ってて」


ご主人様はそう言って、浴槽から上がると脱衣所へ繋がるドアを開けた。


(用意って、する準備って事だよね?)


はっきりとそう言ったわけではないが、ご主人様の様子から私は確信した。
待っていろと言ったということは、寝室ではなくここでするつもりなのだろう。
何を準備するつもりなのか私にはわからないが、なんだかとてもワクワクする。
私はご主人様が開けたドアの方を見た。
温まった室内の空気が外に流れ、替わりに外の冷たい空気が流れ込む。
火照った頬には丁度よく、気持ちがいい。


(ひんやり、気持ちいいな)


知らぬ間に体は随分と温まっていたようだ。
冷やすほどではないがその空気はのぼせかけていた私の頭をはっきりとさせた。
身体が火照り夢見心地だったのは熱のせいもあったのかもしれない。
もう少し冷たい空気に当たっていたかったが、ご主人様がドアを閉めると元の通りの熱に包まれた。
ドアの向こうでなにやら物音がする。
曇りガラスをはめ込まれたドアはぼんやりと向こう側が見えるのだが、そこには向こう側で肌色の物体が姿勢を低くして蠢く姿がずっと見えていた。
さっき出て行ったご主人様だ。
準備はすぐ近くでできるものだったようで、遠くへは行っていないようだ。
物音はすぐに止み、またドアが開く。
ほんのわずかな間だった。


(こんなにすぐ戻るなら、ドアを閉めなくてもいいのに)


私は思った。
涼しい空気に当たりたかったし、ご主人様の姿をずっと見ていたかったのだ。
好きな人のことはずっと見ていたいものなのだから。


「洗面所にしまっておいてよかった。
流石に部屋まで取りに行くのは面倒くさいからなぁ」


戻ってきたご主人様の手には半透明の筒状のものがあった。
どうやらこれを取りに行っていたようだ。
それには僅かに見覚えがある。
確か、寝室にも置いてあったものだ。
暗かったから定かではないが、こんな形だったと思う。


(何に使うものなんだろう?)


ご主人様は一旦それを浴槽の縁に置き、湯の中に入ると座っている私を後ろから持ち上げた。
そしてそのまま、足はピンと伸びたままお尻をご主人様の方へと突き出し腹部を浴槽に押し付ける様な体制にされる。
私の視界には浴室の洗い場の床とそこに置かれている身体を洗ったときに座った低い椅子だけが映っていた。
後ろではご主人様が何かをしているようだ。
浴槽と自身の身体でうまく挟んで私を固定しながら微妙に動くのを私は下半身で感じた。

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